ハリウッドアクション映画の新しい傾向? 

 先日「ボーン・アルティメイタム」を見に行きました。
2作目を観ていなかったので心配でしたが、単品でも観れるものだったのでよかったです。
アクションシーンは迫力があったし、主人公の頭脳プレーも面白かったです。
けれども、1作目の時に感じたラスボスのショボさを完結編でも感じさせられたのは残念です。
途中のアクションに費やした時間を、ラスボスとの対峙に当ててもよかったのでは?
まあ、ラストは良い締め方だったと思うので、これは良作と判定していいと思いますが。


 ふと感じたんですが、最近のアクション映画は「走るシーン」が増えているような気がします。
ボーン・アルティメイタム」「ミッション・インポッシブル3」「007・カジノロワイヤル」など
最近の大作アクション映画で、主人公と敵キャラが追いかけっこをするシーンがありました。
様々な障害を乗り越え、人ごみをかき分け、ジャンプで飛び移ったりしながら、スプリンターの
如きフォームで全力疾走するシーンに結構な尺を取られているんですよね。
ひょっとしたらこの3作が偶然重なっただけかもしれませんが、自分なりの仮説なぞ。


●レオナルド宏の仮説●
 80年代、90年代はシュワちゃんなどに代表されるように、アクションスターの花形は
筋肉ムキムキの人だった。そういったスターは重いマシンガンを乱射したり、格闘戦で相手を
パワーで打ちのめしたり、重い障害物をのけたりするシーンを挿入する事で観客を魅了した。 
 しかしそういったアクションが飽きられ、映画の主人公もスタイルの良い人に変わり始めた。
そういった時に、ワイヤーアクションが取り入れられ始めた。人間ではありえぬアクションを
実現するワイヤーアクションは主人公のパワー不足を補い、奇抜な演出で観客を魅了する事が
できるため、たちまちハリウッドでブームとなる。CG技術も進歩したため、様々な派手な演出が
可能となった。しかし、次第に観客もワイヤーアクションやCGに飽きてしまった。
また、この演出は製作費の高騰を招くため、製作サイドとしても新しい演出を求める必要が
生まれた。そこで「走るシーン」をアクション映画に取り入れる事にした。
1)ボディービルダーの様な筋肉は俳優に求められない。
2)主人公はマッチョさの代わりに、俊敏さや身軽さでヒーローとしての素質を示すことができる。
3)CGを作る必要もなく、製作費も抑えられる。
4)映画にスピード感が生まれる。
5)CGの台頭で危機に追いやられていたスタントマンに活躍の場が与えられる。
などのメリットが見込めるため、映画製作者が「走るシーン」を挿入しだした。

 
 いかがでしょうかねえ。自分は映画オタクって訳ではないので、色々間違いもあると思います。
しかし、映画やドラマ制作には時代ごとの流行や傾向があるのは事実。
ボーン・アルティメイタム」「ミッション・インポッシブル3」「007・カジノロワイヤル」
などの、マッチョではない(でも俳優は体鍛えてますけどね)俳優が主人公で、大規模な収益が
見込めて結構な製作費をかけているであろうこの3本が同じ事をしているのが偶然なのかなあ?
そういえば、これ3本ともスパイ映画ですね…。アクション映画というより、スパイ映画の流行?

 いずれにせよ、もう少し見守ってみないと分からない問題ですね。